手記の掲載にあたって…

私達は、日々保育を通して子どもからたくさんの学びと感動を頂いています。保育士としても、一人の親としても、その時には精いっぱいの気持ちで子ども達に向き合っていても上手くいかない事や反省する事があります。そんな時には落ち込んだり自己嫌悪に陥ったり・・・誰もが、一度は経験している事かもしれません。
 私の場合は、保育や子育てに悩んでいる時に“完璧な親なんていない!”という言葉に出会いました。その言葉に出会った時、心にのしかかっていたものがフッと軽くなったことを覚えています。そして、たくさんの“話を聞いてもらえる人”を見つけました。
 たくさんの方々との出会いの中からたくさんの子育ての仕方や考えに触れ、そのどれもが貴重なるもので、「親の愛情」を感じました。

当法人は社会福祉法人“ご縁会”と言いますが、まさに園児や保護者、地域の方々とのご縁があってこそ、さくら坂保育園は生かされています。
 そして、当園にはたくさんの支援を必要とするお子様がいますが、お母さん方からたくさんの気付きを教えて頂きました。
 “障がい”があることで、保護者の方は他のお子様より考える事や根気など幾分かは必要かもしれませんが決して“かわいそう”なんかじゃない。でも、そう思えるまでにはたくさんの出会いが必要なのだと教えて頂きました。手記に書かれている身に余る感謝の言葉を掲載する事に多少のためらいはありましたが、そのまま掲載いたしました。この温かい励ましの言葉を糧に、今後更に保育活動に真摯に取り組んでいきたいと思っています。
 また、在園されている保護者の方だけでなく、子育てについて何かを知ろうとする方がHPを見ているかもしれません。そんな方々にも、親もいろんな思いを抱えて子どもと共に成長していくのだ!という事を体験された方の手記から感じてもらいたくて掲載しています。
 最後になりましたが、「この子らを世の光に」と訴え、滋賀県の福祉の父と呼ばれた糸賀一雄氏の言葉をお伝えします。

「この子らはどんな重い障がいをもっていても、誰と取り換えることもできない個性的な自己実現をしているものである。人間と生まれて、その人なりに人間となっていくのである。その自己実現こそが創造であり、生産である。私たちの願いは、重症な障がいをもったこの子たちも立派な生産者であるということを、認め合える社会をつくろうということである。『この子らに世の光を』あててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよ磨きをかけて輝かそうというのである。」

この理念の上にさくら坂保育園の『一人ひとりを大切にすることは全ての子ども達の人権を保障すること』につながっていると信じています。

社会福祉法人 ご縁会
さくら坂保育園 園長  太田 加奈子